| 日本では、1950年代以に公衆衛生の維持・向上のための政策が開始されました。その後、1960年代に、急速な経済成長に伴って、四大公害(水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病)に代表される激甚な産業公害による健康被害が社会問題化しました。その反省に立ち、1970年代には環境保全のための取り組みが強化され、さらに2000年代に入り環境と経済の両立を目指して、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を低減した循環型社会の形成に向けた取り組みが本格化しました。
(まめ知識)
1600年~1800年代の江戸時代における日本では、完全なリサイクル社会が構築されていました。当時、郊外の農業では、米を収穫した後に残るゴミを、肥料、燃料に使う等、再生可能な資源を循環的に利用しており、外部から取り入れるのは塩と鉄だけだったと言われています。また、城下町においては、割れた茶碗など継いだり、ロウソクの溶け残りを回収して再生する専門の職業が成立していました。このほか、都市のし尿が農村の肥料として用いられ、農村からの作物が都市で消費されるという物質循環が成り立っており、都市が清潔に保たれていました。 |